近年の研究では人間が化粧行動をすることによって肌そのものだけではなく脳・神経・免疫などのホメオタシスを維持することが証明されており、やはり美容という産業・もしくはエステサロンが現代のストレス社会の中、これを緩和する存在として貢献していることがよくわかります。そしてエステサロンの優位点は顧客との関係性の強さです。一人ひとりの肌や体質・生活習慣や抱えている悩みなどをエステティシャンは把握しているため、決して画一的でなく顧客にぴったりな施術や店販商品を提案することができます。もちろんそうすると美容効果や信頼度も高まりやすいですから、エステティシャンとサロンに通う顧客の間には、通常では考えられない長期に続く・そして厚い人間関係が構築されていることが多いのです。
【目次】
1.コンセプトとテストマーケティングを重んじる弊社のOEM事業
2.OEM事業は商品の企画に先立ち、多くの工程を経て製造・ローンチに至る
3.今回のまとめ
コンセプトとテストマーケティングを重んじる弊社のOEM事業
例えばエステサロンを10年以上も経営していると、「あったらいいな」というエステ商材(店販製品含む)を構想することもあり、またその内容はみるみる鮮明になっていくでしょう。上記のように顧客の身体の状態(変化)や思想などがクリアになれば尚更であると思います。そして弊社がエステティックサロンに特化するようOEM事業を立ち上げたのは、そういったクライアントの声が大きかったことが一番の理由になります。弊社のOEM事業は「高品質・低ロット」という大変キャッチーな言葉で認識されることが多いですが、リピート率が大変高いことにはもっと奥まった仕組みに理由があります。
弊社のOEM事業のコアな特徴は主に2つです。1つは「サロン事業者発信の企画」であること。2つ目は「充実したテストマーケティング環境」です。まず「サロン事業者発信の企画」とはどういうことなのか?についてですが、これは字義通りでエステサロンオーナー自身のニーズ・ウォンツに一致した製品以外はつくらないということです。OEMは、通常メーカーやディーラー主導で製品が企画され、各エステサロンに微量の成分差やパッケージを替えることでオリジナル性を保ち流通が行われています。その理由は単純にコストやリスクを軽減できることですが、弊社の考えはそれでは本当のオリジナルではない。という結論でした。ですから弊社では信頼するクライアントと入念に打ち合わせを重ね、関係性の強い製造元の協力を仰ぎ、エステサロンオーナーが本当に必要なOEM製品を最小限のロットでローンチができる仕組みをつくりました。そうすることでエステサロンの一過性のPLだけではなく、無理のないキャッシュフローで着実な資産形成ができることに貢献すると考えています。また「充実したテストマーケティング環境」ですが、これは試作品を納得いくまで改善することができるということです。例えば化粧品であれば肌への効能効果はもちろんのこと、テクスチャー・香りにわたりクライアント主導でPDCAを回す商品開発を弊社では行なっているのです。
OEM事業は商品の企画に先立ち、多くの工程を経て製造・ローンチに至る
前回のコラムでは、化粧品が開発設計スタートしてから商品完成(もしくはローンチ)まで通常は最低でも1年(薬剤の開発ですと7〜8年)かかるとお伝えしておりましたが、これは弊社でも例外ではありません。その理由として品質保証が大きな要因であるとお伝えしましたが、今回はOEM事業の裏側として化粧品の開発プロセスをざっくりと共有させていただきます。
まずは前述の部分でもあったように、商品の企画が先立ちます。そして製品設計へと移るのですが、これは中味と包装(いわゆるパッケージ)でわけられます。まず中味について化粧品成分は無数にありますが、基剤・原料・色剤・香料・添加剤をコンセプトやニーズに基づき設計や指定を行なっていきます。同時に行うパッケージ設計ですが合成樹脂容器・ガラスびん・金属・チェーブなどから設計や指定を行います。そして試作試験・使用試験を経て(テストマーケティング)生産技術が検討され、薬事の承認を取得した後ようやく製造工程のフェーズに入るのです。
今回のまとめ
もちろんOEM事業はエステサロン経営を成長させる有効的な手段であることに間違いはないですが、単に「儲けたいだけ」では事業を成功させることができないと私たちは考えています。構想やテストにかかる費用や労力・時間。そして店舗外で販売をすることになればプロモーションや人件費もかさみ一時的に営業利益率は著しく低下してしまいます。「培った経験や想いを商品に馳せて辛抱強く拡販をしたい」という強い信念があることでようやく成功への必要条件を満たすものだと私たちは考えています。