エステサロン・脱毛サロン専門のマーケティング会社マーケティング・プロダクト・ファクトリー(MAP)のお知らせ・コラムです。

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2023.08.17

エステサロンが化粧品の選定基準にすべき品質のファクターについて

例えば自社独自のOEM化粧品をエステサロンで販売する・もしくは数あるエステティックサロン専売品から仕入れの化粧品を厳選するという戦略は、エステサロン経営においてとても重要だといえるでしょう。そしてエステサロンは美意識の高いリピーターで経営が成り立っているため、ドラッグストア・百貨店で取り扱われるような有名な化粧品というよりは、品質の高い化粧品であればあるほど相性がいいわけです。しかしここで問題になるのが「品質の高い化粧品」とは一体どのような定義なのでしょうか。これらがはっきりと区分けの上定義付けがされていないと、エステサロン経営者は意思決定に支障を招き、スタッフが多いエステサロンは特に販売実績がまったく伸びないことが多いのです。

【目次】
1.エステサロンが議論すべき、化粧品の品質特性について
2.OEM化粧品開発事業に、多くの時間や費用がかかる理由
3.今回のまとめ

エステサロンが議論すべき、化粧品の品質特性について

OEM化粧品の開発会議を行うとき・また仕入れ化粧品を複数見比べるとき、もっとも大切なことは対象の製品(ブランド)である化粧品の品質特性を明らかにすることです。もちろんこういう議題になると、利益率が高い方がいい・販促物が充実している方がいい・担当のメーカーやディーラー営業が優秀な方がいいといった別の側面からの意見もあるでしょう。しかし繰り返しますが、エステサロンが提供する店販製品でもっとも大切なファクターは品質です。それでは品質の区分けと詳細をみていきましょう。
化粧品の品質特性は大きく4つに分かれており、安全性・安定性・使用性・有用性がこれに当たります。安全性はその名の通り、皮膚刺激性や経口毒性が低いこと・安定性は質感や色味が変わらない、微生物汚染などが起きないことです。「現代の化粧品で安全性や安定性が悪いものなんてない」そう思われる方も多いですが、この認識は違います。いまでも塗布するだけで角質層のもっと奥深くである真皮を物理的な刺激で活性化するという危険な標榜をする化粧品も多いですし、防腐試験が甘く変色や変臭を起こす輸入化粧品も後を断ちません。こういった化粧品は使うとき不快というだけではなく継続的に使用することで肌にダメージを蓄積する可能性もありますから、「お客様を守る」という観点においても情報の仕入れやパッチテストなどのモニタリングを余念なくエステサロンも行うべきだと思います。また安全性や安定性の他にも使用性と有用性があります。使用性はエステティックでいうとテクスチャーといわれることが多いのですが、具体的には肌のなじみ・しっとり感・なめらかさなどの使用感や形状の使い易さなどを指します。また化粧品は製品化すれば中味とパッケージに分かれていますが、パッケージの色やデザインも嗜好性の分類になるため使用性に当たります。そしてエステティックでもっとも重要視されるのは有用性です。有用性とは化粧水やクリームの保湿性・クレンジングの洗浄効果性などいわゆる肌への生理作用がどれだけよくなるのか?という指標であるのです。

OEM化粧品開発事業に、多くの時間や費用がかかる理由

現代のビジネスにおいて、スピードは大変重要だといわれていますから、化粧品開発(OEM)にも短納期でローンチを希望される事業者さまも多いようです。もともと化粧品の中味のあるPB(プライベートブランド)程度の企画であればこのような希望にも弊社はお答えすることができますが、ことクライアント独自のニーズを複数反映し一からつくるOEM事業にそれを求めることは、正直難しいと私たちはお答えさせていただいております。
なぜなら化粧品の品質保証を新たに行うことは大変な労力やコストが費やされるからです。例えば化粧品の中味だけでいっても安全性・安定性・使用性・有用性4つの特性があり、これに対して保証をするには多くのテストをくぐり抜けなければなりません。安全性保証であればパッチテストや重金属試験。安定性保証であれば色調安定性試験・耐光性試験・匂い安定試験・防腐試験や薬剤安定試験などです。使用性保証は使用試験・物理化学試験。有用性保証は製品別各種効果試験といったものです。
そのため化粧品が開発設計スタートしてから商品完成(もしくはローンチ)まで通常は最低でも1年・薬剤の開発ですと7〜8年かかるといわれています。

今回のまとめ

弊社は小規模なエステサロンさまが事業を拡大したい意向を示されたとき、大抵の場合OEMの提案を避け、まず既存店販製品の売上最大化を提案します。もちろん弊社のサービス上では独自性のあるOEM製品を低ロットで開発することは可能ですが、一定の資金を確保しないといけない・1年以上は売上が上がらないことを見越すと、地盤の施術や店販売上をしっかりと広げ・そして固め、これが成し遂げられた場合次いだフェーズでOEMに注力することが全体最適だと考えています。