エステサロン・脱毛サロン専門のマーケティング会社マーケティング・プロダクト・ファクトリー(MAP)のお知らせ・コラムです。

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2023.05.21

エステサロン内で、香りを楽しむカウンセリングを行いましょう

2022年に発行されたReportOceanの報告書によれば、ホームフレグランスの世界市場は2021年から2027年にかけて、4.5%以上の売上成長が予測されています。
該当する製品の対象としては、ディフューザー・スプレー・キャンドル・アロマオイル・電気式芳香器、そして香りの種別としてもレモン・ラベンダー・ジャスミン・ローズ・バニラといったものが挙げられます。ホームフレグランスとは「不快な臭いをカバーする」だけでなく、心地の良い匂いにより、「人々の生活をより豊かにする」ことに役割が期待されているのです。ストレス社会である現代において、香りのサービスでお客様に活力が湧いたり、綺麗になる効果が引き出せたりすることは、いまや一般的なマーケティングとして存在します。ですからエステサロンも取り扱う各施術及び店販サービスにおいて、香りを一つの要素として考察・分析し、戦略の参考にする必要があるでしょう。

【目次】
1.エステサロンが取り扱う化粧品は、香料が微細な設計で配合されている
2.エステサロンで健やかに綺麗になり、そして香水で日常の香りを楽しむ
3.今回のまとめ

エステサロンが取り扱う化粧品は、香料が微細な設計で配合されている

前回のコラムでは、香りには主に天然香料と合成香料が存在すること・天然香料の種類や効果、使い方についてのアドバイスを行いました。今回のコラムでは、一方で触れていなかった合成香料について扱おうと思います。
合成香料には、天然香料から特定の成分を化学処理によって取り出した単離香料・その単離香料を原料に合成した半合成香料・天然香気成分・天然には存在しませんが、香料として有名な化合物を化学的に合成した合成香料があります。よく「調合香料」という言葉を耳にしますがこれは、合成香料と天然香料を用いオリジナルの香りをつくることでできる香料なのです。エステティックサロンが頻繁に扱う化粧品は、こういった複数の香料から0.001%単位で調合されているのです。
合成香料に代表される製品は、「香水」です。香水は、調合香料をエタノール・蒸留水で溶解し、熟成期間の後に製品化されるもののことを指しているのです。香水は様々な香料から構成されているため、成分や分子が単一になったわけではありません。つまり時間とともに香りやすい成分が揮発していきますから、グラデーションを描くように香りは変化していくのです。具体的には10〜30分間に香るいわゆる香水の第一印象はトップノートといいます。トップノートは、シトラス系・グリーン系・フルーティー系・ハーバル系を香りとして認識します。香水の中心となるのがミドルノートなのですが、これは30分〜1時間程その香水のアイデンテティーがもっとも香りとしては反映されます。ミドルノートの6〜7割は、フローラル系で構成されています。香水の余韻となるラストノートは、2〜3時間後に香りが消えていきます。残香性の高いオリエンタル系・ウッディ系・バルサミック系が用いられることがほとんどです。ラストノートの中には、6〜7時間と長いものもあります。香りの変化の特徴を考えれば、「香水は、相手に良い印象を与えたい30分位前を目安に使いましょう」という教えも納得です。また香水の品質を即座に見分けるためには、アルコール分を飛ばす必要がありますから、手首にかける場合は手を鼻から離し、動かしながら嗅ぐことが重要ですし、ムエットを使う場合でも、2,3回振って同様にアルコール分を飛ばさないといけません。香水のつけ方は耳の後ろや肘・膝の裏など様々ですが、皮膚の弱い方はスカートの裾などにつけることが適切でしょう。

エステサロンで健やかに綺麗になり、そして香水で日常の香りを楽しむ

香水はその品質を保つために、管理方法に気を遣わないといけません。香水の香りは直射日光や大きな温度変化・空気に触れることで簡単に劣化してしまうのです。また、使用期限は開封した場合で1年・未開封の場合は管理状態が良くても製造日から遡り、3年以内とされているのです。
香りの持続時間の目安ですが、これは香水を含め香料を使う製品は、その香料配合率やベース溶剤の組み合わせによって把握することができます。パヒューム・パルファムといわれる香水の香料配合率は15〜30%・エタノールと保留剤組み合わせで5〜7時間と長い期間香ることが可能なのです。オードパルファムは7〜15%・エタノールと保留剤組み合わせで4〜6時間香ります。オードトワレは5〜10%・エタノールと保留剤組み合わせで3〜4時間香り、オーデコロンは2〜5%・エタノールと保留剤組み合わせで1〜2時間ライトに全身を纏い香ります。固体の練り香水は5〜10%の配合率ですが、油性成分を組み合わせているため1〜2時間前後穏やかに香る程度です。芳香パウダーは、練り香水より香料配合率が低い1〜2%・香水石鹸はそれとほぼ同程度の持続時間といえるでしょう。
オードパルファム・オードトワレ・オーデコロンの「オー」は、フランス語で水を意味し、香料配合比率が比較的に低い(とすると、持続時間も同様)と理解することができます。

今回のまとめ

エステサロンで販売した化粧品の中には「無香料と記載しているが、香りはします」と言われる店販製品やOEM製品は少なくありません。無香料とはあくまで香料を使用していないことを指しますから、原料やその成分に香りがある場合、無香料であっても当然ある程度の香りが認識されるのです。
エステティックサロン経営の武器はなんといってもエステティシャンとお客様の関係性です。エステサロンでは香水といった人工的な香りを楽しむだけでなく、想いを馳せ使用している化粧品特有の香りを共有でき、豊かなコミュニケーションが派生することを私たちは期待しています。