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2023.05.17

マーケティングとして注目されている、アロマ化粧品について

公益社団法人、日本アロマ環境協会のプレスリリース(2023年3月)によると、2021年の国内アロマ市場規模は3,973億円・前年比112%の成長との報告がなされています。大きな要因であるアロマ化粧品市場の拡大ですが、これはエステサロンを含めた美容産業及び他の産業からの新ブランドを使った参入が目立ち、その背景にはコロナ禍で在宅時間が増え、消費者の美容習慣や価値観が変革したことが例として挙げられるでしょう。
弊社の事例を用いると、イタリアのオーガニックコスメブランド「ラクシュミ」メニューの受注率・店販売上成長率などもこういった変化を物語っています。スキンケア・ヘアケア化粧品はもちろん、肌や髪の効果効能を重要視されるべきですが、「使い心地がいい・香りがいい」という要素は今後、かなり着目されるべき品質内容であると私たちは考えます。

【目次】
1.植物性化粧品の売上が好調な要因である、「香り」の原因や方法を探る
2.エステサロンが精油を取り扱う際に、気をつけるべき希釈量について
3.今回のまとめ

植物性化粧品の売上が好調な要因である、「香り」の原因や方法を探る

アロマ化粧品売上が大きな成長を見せている理由の一つとして「香りがいい」ということが挙げられますが、なぜ人間は香りがいいとメニューや商品を購入・リピートするのか?という根源的な部分を本コラムでは取り上げたいと思います。
そもそも香りとは、鼻の奥にある嗅上皮という粘膜に溶け込み、嗅細胞の先端部分の嗅毛にキャッチされ反応が始まります。香りの分子情報は電気信号に変換されて大脳辺縁系に伝達がされ、「香り」として認識されるのです。この電気信号は、身体の生理機能をコントロールしている視床下部に届き、自律神経系・ホルモン系・免疫系などの身体を調節する働きにまで影響を及ぼします。香りによって活力・体調が変動するというメカニズムは、まさにこの反応が原因だといえるのです。
身体の状態を左右することもある「香料」ですが、これは天然香料・合成香料という大きな括りの中で、植物性香料・動物性香料・単離香料・半合成香料・合成香料といった具合に分類することができます。近年人気を博している天然香料(植物性香料・動物性香料)は、蒸留・抽出・圧搾などの物理的・化学的処理によって取り出した香料のことを指しています。精油などの植物性香料とは、植物の花・果実・種子などから得られることができ、各目的に合わせて匂い成分を抽出する方法です。精油は植物香料の一種でかなり種類も豊富ですが、実際に使われている精油は約150〜200種類あるといわれています。植物性香料の抽出方法は、4種類あります。柑橘系の精油に使われる圧搾法・気化させた水蒸気を冷却して液化する水蒸気蒸留法・現在ではほとんど使われなくなった油脂吸着法・植物の芳香成分を直接溶かし出す溶剤抽出法などが用いられています。

エステサロンが精油を取り扱う際に、気をつけるべき希釈量について

植物には有機物独特の活性力や治癒力が備わっていますが、エネルギー力が高い分、その取り扱いにも注意や知識は必要になります。例えば水やグリセリンをベースにした50mlの化粧水には、精油はスポイト一滴(0.05ml)程度が適切な配合です。精油の原液を肌に塗布しない・パッチテストを必ず行うといった基本的なルールを守りながら、製品のアレンジにチャレンジすることをおすすめいたします。精油の推奨希釈量は、フェイス用トリートメントオイル(30ml)で1〜3滴・ボディ用トリートメントオイル(30ml)で6滴・バスオイル(20ml)で1〜5滴・バスソルト(大さじ一杯)で1〜3滴です。
ワシントン条約により取引が禁止になっている動物性香料は、動物の分泌腺から採取をしています。ジャコウジカの雄の生殖腺から抽出されたムスク・ジャコウネコの分泌腺から抽出されたシベット・マッコウクジラの結石様物から抽出されたアンバーグリス・ビーバーの生殖腺から抽出されたカストリウムなどの4種の香料も、いまや合成香料として賄われています。

今回のまとめ

「植物主体のコスメは香りがいいが、効能や使い心地はイマイチ」というのは、あくまで過去のイメージに過ぎません。多くのノウハウを習得している限られたメーカーであれば、むしろ化学的成分主体のコスメより、効能や使い心地を上回れることは容易なのです。機能性を備えたオーガニック化粧品が続々と現れる前に、エステサロンはいち早く製品の選定やプロモーションを行えるよう準備することが、経営にとって大切な意味を持っているのです。