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2023.05.14

店販の成長株である育毛化粧品を販売する前に、共有したいこと

株式会社矢野経済研究所による2022年プレスリリース「ヘアケア市場規模調査」によると、2017年4,511億円であった国内のヘアケア市場規模は近年成長しており、直近の2022年(こちらは予測値)には5,128億円にまで上昇しています。特にコロナ以前、渦中による2020年〜2021年の同伸長率は109.7%をマークしており、これを機に自己投資への価値観が高まったこと・自己投資の一部として毛髪美容が選択されていることが推測できます。また、2021年度のヘアケア全体の売上市場規模(4,977億5千万円)の内、じつに76%が発毛・育毛剤・ヘアケア剤が占めています。
エステサロンがこのデータを看過するということは、今後事業の成長を拒むといっても過言ではないのかもしれません。

【目次】
1.エステサロンの店販事業で鍵となる、育毛化粧品の種類と特徴について
2.毛髪の悩みが改善されると、次に生まれるニーズはスタイリングである
3.今回のまとめ

エステサロンの店販事業で鍵となる、育毛化粧品の種類と特徴について

冒頭の市場成長がほぼ間違いなく育毛料であることは、ここ近年のエステサロンの動向・顧客の思考などを把握していれば明らかですが、育毛料とは一体何をもって育毛料で、またその種類や特徴はどのようになっているのか?をエステティシャンはマーケティングリサーチを行わなければなりません。
そもそも育毛料とは頭皮の働きを正常にして、育毛促進や脱毛予防を行うことが目的で使用されています。もう少し具体的にいうと、育毛料とは頭皮の血液循環をよくして毛包の働きを高めて脱毛を防止したり、フケやかゆみの予防に使用されています。有効成分としては血行促進剤・毛包賦活剤・抗男性ホルモン剤などが含まれています。こういった有効成分をもう少し詳しく見ていきましょう。抗男性ホルモン剤とは脱毛抑制を目的として使用されていますが、有名な医薬品はAGA(フィナステリド)で、これは脱毛症治療の有効性を表すガイドラインにも、強く勧められると表記されています。血行促進系であれば医薬品に用いられるミノキシジル(毛乳頭を刺激し、母細胞の増殖を促進)・塩化カルプロニウム(血管を拡張し、血流量を増大させ育毛を促進)などが有名です。その他医薬品でなくても配合できるものは、ビタミンE誘導体(末梢神経を拡張させて血行を促進)・センブリエキス(毛髪を退行期へ移行させるTGF-βの量を減らす)などがあり、センブリエキスは別名t-,フラバノンともいわれています。毛包賦活系に代表する成分は4種類あり、ペンタデカン(休止期の毛乳頭を刺激)・パントテニールエチルエーテル(発毛に必要な酵素を活性化)・ヒノキチオール(抗炎症作用や新陳代謝活性作用、殺菌作用)・アデノシン(毛乳頭の奥深くに浸透し、発毛促進因子を発生)が挙げられます。その他にはフケを改善するジンクピリチオン・ミコナゾール硝酸塩・ピロクトンオラミンや、かゆみの改善をするアラントイン・グリチルリチン酸2Kが頭皮の肌荒れを防ぎ有効的であるといわれています。

毛髪の悩みが改善されると、次に生まれるニーズはスタイリングである

脱毛や薄毛の悩みが改善されると、お客様は髪のスタイリングが楽しくなり、新たな製品群が購入ニーズとして浮かんできます。ヘアスタイリング料は、整髪料ともいわれますが、毛髪を物理的に密着させたり固定させたりする製品です。成分としては主に油脂・保湿剤・高分子化合物の固化が利用されており、髪質・つや・目的などで様々なヘアスタイリング料がその特徴によって使い分けられています。ヘアスタイリング料の種類は主に5種類です。油を主成分とし、毛髪に油分を補いつやや滑らかさ、柔軟性を与えるヘアオイルは、油溶性コラーゲンなど、毛髪リペア成分を配合している製品もあります。液状樹脂を使い髪型を固定させるのはヘアスプレーですが、ヘアスプレーはハードタイプ・アレンジタイプ・グロスタイプなどいくつかの種類が目的によって使い分けられています。毛髪につやや水分を与え、寝癖を直したりスタイリング剤の下地をつくるのはヘアミスト・ヘアウォーターで、整髪成分が泡状になりヘアスタイルを固定化するのはヘアフォームです。近年のヘアフォームにはリンス成分や油分を用いられ、トリートメント効果を付与している製品も増えています。油性、クリーム状・あるいはロウ状の剤で毛先の動きをコントロールする製品は、ヘアワックスです。
またドラッグストアなどの販売で特に目立つのは、ヘアカラーリング製品ですが、ヘアカラーリング製品は化粧品の染毛料(ヘアマニキュア・酸性カラー・カラートリートメント)と美容院などで使われる染毛剤 (ヘアカラー・白髪染め)に分けられます。ドラッグストアなどで販売されている製品は、もちろん化粧品の染毛料が該当します。染毛料にも半永久染毛料と一時染毛料とに分けることができ、半永久染毛料は、酸性染料という色素を利用したヘアマニキュアや酸性カラーを利用し、髪の内部まで染毛効果を浸透させるメカニズムです。一時染毛料は、顔料などの着色剤を、毛髪の表面に付着させる手法ですから、頭皮の痛みや髪の痛みをある程度回避することができます。医薬部外品では、酸化染料が毛髪中に浸透し酸化して結びつき発色する永久染毛剤がもっとも持続性に優れている(色持ちは約2ヶ月間)といわれています。また永久染毛剤の中でも、黒色の色素をつくりだし脱色の働きがないタイプを非酸化染毛剤といい、主に白髪染めに用いられています。その他毛髪のメラニンを酸化脱色させる脱色剤(ヘアブリーチ)・染料を脱色させる脱染剤などの製品も、医薬部外品に該当します。

今回のまとめ

加齢による髪の悩みで、40〜50代で増大してくるのが「髪のボリュームがなくなった」「白髪が目立つ」といった類のものです。もちろんこれらの悩みを、魔法使いのように完全にシャットアウトすることはできません。しかしながらエステ事業者は、健康・美容の専門家ではあるのですから、現在においてのベストな知識や手法・また施術や製品(店販)を用いることで、お客様の喜びをつくることができるのだと私たちは考えています。