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2023.05.01

高機能な化粧品を取り扱うエステサロンだからこそ留意すべきこと

女性の社会進出に伴い、性別問わずに健康・美容ニーズは成長し続けており、エステサロンではトリートメントの売上だけではなく、店販の売上も統計的には向上しています。つまり基礎化粧品・メイクアップ化粧品・サプリメントの購入者は年々増加し続けているため、エステサロンの仕入れ先にあたる美容メーカーや美容ディーラーは実に多くの商品を開発し、トライアンドエラーを繰り返しています。商品の種数が多くなるということは、より消費者のニーズを細分化する(つまりカテゴライズ)という視点と、高機能にするという視点の両面があります。一概にはいえませんが、エステティックの業界では顧客のニーズや意識が高いことから、高機能の商品開発を目指す美容メーカーや美容ディーラーのOEM事業が多いことが特徴です。
その一例としてメイクアップ化粧品と基礎化粧品(主に美容液など)を兼ね備えた機能を謳う商品も増えてきました。私たちエステティック事業者はそういったイノベーション(事実であれば)した商品をセールスすることももちろん大切ではありますが、基礎となる商品構造やその変革内容を理解した上で販売する商品の選定やカウンセリングを行う必要があるでしょう。

【目次】
1.見られたい印象によって、メイクアップ化粧品は原料で使い分けましょう
2.UVケア化粧品は大きく分けて2種類あることを、お客様に伝えましょう
3.今回のまとめ

見られたい印象によって、メイクアップ化粧品は原料で使い分けましょう

これまでのコラムでは、スキンケア基礎化粧品の構造についてはいくつか触れてきましたが、メイクアップ化粧品は一体どのような原料や配合のテクニックが用いられているのでしょうか?
メイクアップ化粧品の原料は着色顔料・体質顔料・真珠光沢顔料などの粉体部分と、これらを分散させ、つなぎとなる結合剤で構成をされていて、この配合比率を変えることで、様々な品種が形成されていきます。結合剤には流動パラフィン・ワセリン・ワックス類・スクワラン・植物油・合成エステル・シリコーンなどの油性成分、それからグリセリン・プチレングリコールなどの保湿剤、また界面活性剤などが使われます。このほかの原料として防腐剤・酸化防止剤・香料などもあります。メイクアップ化粧品は化粧効果の面から付着性・着色性が重要で、この役割は主に粉体部分が請け負っています。
メイクアップ化粧品の質感を決定づける粉体は、大きく分けてマット肌に見せる球状粉体と、ツヤ肌に見せる板状粉体の2種類が存在します。光を拡散反射させる球状粉体は、すべすべで柔らかそうな質感を演出し、肌の凹凸をぼかす役割もこなします。具体的にはポリメタクリル酸メチルやポリウレタンといった合成高分子粉体が主に使用されます。光を強く跳ね返す反射板のような役割をする板状粉体は、肌にツヤツヤした輝きを演出することができます。タルク・マイカ・酸化チタンなどの体質顔料が主に使用されています。

UVケア化粧品は大きく分けて2種類あることを、お客様に伝えましょう

メイクアップ化粧品は、その原料を理解することで「ニーズにあった使い方」を知り、顧客にそれを教えることができるのは上記の通りですが、UVケア化粧品もまた同様のことがいえるでしょう。UVケア化粧品でもっとも大切だといわれる原料に紫外線カット剤がありますが、紫外線カット剤とは紫外線吸収剤と、紫外線散乱剤の2種類が存在します。一般的にUVケア化粧品はこの2種類を混ぜることでその効果を高めているわけですが、エステティック専売品では、敏感肌に対応した紫外線散乱剤のみを使用した化粧品(ノンケミカル処方と記載しています)が販売されていたりもします。
紫外線吸収剤の特徴は、ケイヒ酸系ベンゾフェリン系・トリアジン系などの化学物質が紫外線エネルギーを取り込み熱などのエネルギーに変換する化学反応的手法を用いており、白浮きやきしみ感はありませんが、これが入ることでアレルギー反応を起こす人もいます。
紫外線散乱剤の特徴は、酸化チタンや酸化亜鉛が物理的に紫外線を跳ね返すことで、紫外線のダメージから肌を守る役割をしているのです。かぶれやアレルギー反応は起きにくいことが紫外線散乱剤の大きな特徴ですが、白浮きやきしみは酸化チタンの活性効果によることが原因だとされており、少数ですがエステティック専売品の人気UV化粧品は、この手の課題がしっかりと解決されています。

今回のまとめ

5月に入りいよいよ紫外線も年間のピークといわれる強度まで引き上がりつつあります。紫外線は適度に浴びることも重要ではありますが、過度となるとこれまで受けたエステサロンでのトリートメント・質の良い基礎化粧品により積み上げたホームケアの効果を一気に損なうことになりかねません。エステティシャンはこのことを口酸っぱくなるくらいに、顧客へ伝えることも大切な務めの一つなのです。