エステサロン・脱毛サロン専門のマーケティング会社マーケティング・プロダクト・ファクトリー(MAP)のお知らせ・コラムです。

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2023.04.16

エステサロンとはパートナー関係を必要とする、OEM化粧品事業

2000年に国内では化粧品原料の規制緩和が行われ、その10年後には国内で使われる化粧品原料種数はなんと10,000を超えました。私たちがクライアントであるエステサロンで取り組む業務としてOEM化粧品開発があり、これがクライアントの売上アップに大きなインパクトを与えています。弊社は日々の営業やコラムでも伝えておりますように、「OEM化粧品のパッケージ売り」を一切行ってはいません。なぜならばもともと用意された規格の製品を「サロンのオリジナル化粧品です」と広告することは、文脈上無理があると思いますし、何より販売するエステティシャンが、提案に心を込めることができません。また規格品をあらゆるエステサロンでラベルだけを張り替えて導入することを進めると、価格は崩壊し、いずれ共倒れを起こす結果を招きます。弊社では少なからず、1年間の準備期間をOEM事業にかけるようにお伝えしています。エステティシャン自らの経験や想いを企画として言語化し、試作品をしっかりとテストマーケティングし、プロモーションを並行して実践していくプロセスを丁寧に一つひとつ行った結果、OEM化粧品事業は本質的な成功を収めるのだと私たちは考えています。

【目次】
1.OEM化粧品事業を行うのであれば、化粧品の基本原料や構造を理解するべき
2.化粧品のメイン原料である、水溶性成分と油性成分の詳細について
3.今回のまとめ

OEM化粧品事業を行うのであれば、化粧品の基本原料や構造を理解するべき

冒頭の話を言い換えれば、エステサロンオーナーと弊社は「パートナー」としての関係性を目指さなければ、OEM化粧品事業は大きな成功を収めることができないということがいえます。パートナーの関係性ということは、私たちもクライアントであるエステサロンの顧客ニーズをしっかりと理解をしながらものづくりを行うことが欠かせませんし、エステオーナーとも、構想する化粧品そのものの知識基盤を共有していく流れをとっていきます。
その一つに化粧品に使われる原料や、大体の構造についてということが挙げられます。化粧品は何もビタミンCやコラーゲンだけでできているわけではありませんし、水や界面活性剤だけでできているわけではありません。美容メーカーやディーラーの仕入れ商品であれば「コラーゲンをメインに使ったエイジングケア美容液ですよ」という提案でも問題はありませんが、自らの店舗がメーカーとなる以上、化粧品の成分バランスや使用原料の目的や肌への作用を理解することが大切だと考えています。
まず化粧品を構成する成分には、骨格を成す基本成分として水溶性成分・油性成分・乳化や洗浄に使われる界面活性剤・色や質感をつくる粉体といわれるものが挙げられます。またその他添加成分としては、香料・着色剤・カタログなどにピックアップされる訴求成分などがあります。品質保持を目的とした成分であれば、増粘剤・ph調整剤・キレート剤・酸化防止剤・防腐剤などがあり、これらが一体となって一つの「化粧品」が成り立っているのです。

化粧品のメイン原料である、水溶性成分と油性成分の詳細について

化粧品の骨格ともいえる水溶性成分は、保湿効果(モイスチャー効果)・肌の引き締め効果があり、その他役割としても溶剤・防腐の働きもあります。これらは単独というよりも数種の水溶性または油溶性成分と組合わさりその効果を発揮することができます。水溶性成分の液状であるものは、肌を引き締め溶剤にもなるエタノール・保湿や防腐、溶剤となるブチレングリコールやペンチレングリコール・保湿や溶剤のジプロピレングリコール・保湿感触調整のグリセリンなどが挙げられます。一方水溶性成分の粉状であるものは、感触調整や使用性向上を目的としており、主な成分として保湿、感触調整のベタインやPCA-Na・保湿、吸湿のヒアルロン酸Na・増粘するカルボマー、カラギーナンなどが挙げられます。
また油性成分とは、いわゆる「保湿されているな」と感じやすい要因をつくる成分であり、角層に含まれる水分が蒸発しにくいエモリエント効果を目的に配合されています。大体が乳化されてクリームや乳液・美容液として使われていたり、柔軟効果を目的として使われてもいます。液状のものであればオイルということになりますが、オイルは汚れをなじませてメイクを落としたり、肌の上でのすべりをよくしてもいます。合成されているものはトリエチルヘキサノインやジメチコン・エチルヘキサン酸セチルがあったり石油由来のミネラルオイルがあったり、天然の成分としてはスクワランやホホバ油が挙げられます。半固形状の成分は、浸透性やエモリエント効果をつくりますが、ヒドロキシステアリン酸コレステリルやラウロイルグルタミン酸といった合成成分・石油由来のワセリン・シア脂、カカオ脂。水添植物脂といった天然成分のものに大別ができます。クリームで「こってり感」がでるのは、保護膜をつくる固形状のワックス成分が用いられます。このワックスも合成されるポリエチレン、合成ワックス・石油由来のパラフィン、マイクロクリスタリンワックス・天然のミツロウ、キャンデリラロウに分かれています。

今回のまとめ

優秀な化粧品を企画し、それを試作品としてアウトプットすることはとても繊細な作業でありこれを個別の案件で進めることは多くのエステサロンどころか、エステメーカー・ディーラーのほとんどが受託を拒むことが実態です。化粧品とはすべてのサービスに同じことがいえるように、ベストではなく「限りなくベストに近いベター」な製品をつくることが目標の前提となります。もちろん私たちの製品開発技術やエステオーナーのイメージスキル・キャリアなども重要な要素になりますが、ミニマムバイアブルプロダクトをつくれるまで断続的に双方が意思疎通をとることや、それができるだけの信頼関係を結ぶことがもっとも重要なことだと私たちは考えています。