エステサロン・脱毛サロン専門のマーケティング会社マーケティング・プロダクト・ファクトリー(MAP)のお知らせ・コラムです。

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2023.04.13

エステサロンの「初回キャンペーン」には準備期間が必要です

先日とある除菌用品が、景品表示法に違反する旨を消費者庁が指摘をし、販売メーカーである企業へ6億円余りの課徴金納付命令が出されました(景品表示法の課徴金としては過去最高金額といわれています)。消費者庁によると、販売メーカーは5つの商品のパッケージなどに「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」と表示して販売を行っていましたが、特にこの効果を裏付ける合理的な根拠があったわけではなく、景品表示法上の「優良誤認表示」に抵触すると判断をされました。
当該企業が製薬会社であるため、私たちエステ事業者はついつい対岸の火事としてニュースを聞き流してしまうものです。しかしコロナ渦に入り除菌関連の商品を店販するエステサロンはたくさん増えていますし、何より「優良誤認表示」に該当する警告や指導を頻繁に受ける業態としてエステサロン・エステメーカーはトップクラスに挙げられます。
売上を上げること・そのために魅力的なパッケージ(広告含む)でマーケティングを行うことはもちろん大切ではありますが、それらはすべて合法的に行わなければなりません。

【目次】
1.痩身をニーズとしたサプリメントのマーケティングは細心の注意が必要
2.エステティックサービスにありがちな、二重価格表示について
3.今回のまとめ

痩身をニーズとしたサプリメントのマーケティングは細心の注意が必要

例えばエステティックサロンがOEMで開発をする、もしくはエステティックメーカーやディーラーから仕入れて店販をする商品カテゴリーで「サプリメント」があり、その背景として消費者の痩身ニーズが隠れています。エステティック事業者は、消費者が痩身ニーズを望むサプリメント商品をマーケティングする際に、細心の注意を払う必要があります。
事実、消費者庁から警告や指導を与えられた企業のマーケティング事例で、以下のようなものがあります。
当該商品は体重減・部分痩せを標榜したサプリメントであり、「驚異。商品満足度98%を達成」・「本当に効くサプリメント」・「このサプリメント以外は効かない」などと、お客様の声と銘を打ち広告を出稿していました。また、「余分なブヨブヨ脂肪を燃やして流す」・「3週間で驚きの結果が」・「余分な油をポイ・健康的にスッキリと」・「ぽっこりお腹にさよなら」など、著しい痩身効果が得られることを消費者が認識する表示を行っておりました。これに対し消費者庁は、景品表示法第7条第2項に基づき、表示情報の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めましたが、これに企業は応じることができませんでした。

エステティックサービスにありがちな、二重価格表示について

また、当該商品のマーケティングでは「インターネット特別価格2,980円・通常価格12,000円」というかなり値幅のある比較対象価格を同時表記が用いられていました。消費者庁は原則、「購買意欲を必要以上に掻き立てる」広告を禁止しており、具体的には二重価格表示についてというガイドラインを設けています。
エステティックサロンを運営していくなかで特に気をつけなければいけないことは、過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示についてです。化粧品にしかりサプリメントにしかりエステ施術にしかり、エステティックサロンが同一の商品を最近相当期間にわたって販売していた価格」を比較対照価格とする場合には、不当表示に該当するおそれはありません。しかしながら同一の商品でも「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえない価格を比較対照価格に用いる場合には、当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるかなどその内容を正確に表示しない限り、不当表示に該当するおそれがあるのです。
例えばエステサロンに多いのが、「新メニュー・新商品導入キャンペーン」が挙げられるでしょう。新しいフェイシャルのパックを導入すると、多くのお客様に試していただき売上アップに繋げたいと思うことは当然ですし、化粧品やサプリメントは新規購入者の分母を増やすことが事業の命運を握るわけですから、初期購入価格を通常よりもお安くし、購買意欲を促進したくなるものです。しかしながら二重価格表示の規則では、原則8週間通常価格で販売した実績がエステサロンにない状態で、「通常10,000円の化粧品を新商品導入キャンペーンにより8,000円で販売」と広告を出すと、これは直ちに違法と判断されてしまうのです。

今回のまとめ

上記の規約を守りながら売上アップを両立させる方法として、繁忙期から逆算して2ヶ月前の新商品導入を弊社はお薦めしております。一気に売上が伸びる期間に化粧品やサプリメントを導入するわけではなく、少人数でもしっかりとモニタリングを取りながら定価販売をする時期として2ヶ月はしっかりとスケジューリングをしていきましょうということです。エステの施術や店販のカウンセリングはどんなにいい商品を用いてもトライアンドエラーなわけですから、まずはスモールに展開しマーケティングを微調整してから大きな売上を狙うことが定石であると私たちは考えます。