健康美容家電を取り扱う大手メーカー企業パナソニック株式会社は、2020年インターネットで20〜50代男女500名を対象とし、「新型コロナウイルスの影響による自宅環境・生活の変化について」を調査しました。私たちエステ事業者にとってもっとも興味深いこの調査のサマリーは、以下3点です。
1つ目はアンケート調査を行った40%以上が環境の充実に投資をしていることです。そして投資カテゴリーは上位から並べて「食事・調理」「仕事環境」「健康・ヘルスケア」という結果です。2つ目はアンケート調査を行った約25%が、「自宅時間が増え、且つ休息時間が減っている」と答え、その影響によりストレス解消ができていないことです。3つ目ですが、「ストレス解消をしたい」と答えた方がセルフケアに求めたものは、体調管理・リフレッシュ・疲労回復と、そのすべては健康・美容に関与する内容でした。
コロナウイルスによる社会問題は沈静化したように思えますが、私たちのライフスタイルはその前後で大きく変化し、現在は「アフターコロナ」というフェーズに入っています。今後エステティシャンにはエステサロンで行うことだけを施術・指導することだけでなく「健康・美容についてのホームケア」を指導することが求められています。
【目次】
1.自宅でできる、リンパを流すフェイスマッサージを伝えましょう
2.日々むくみを解消することで、エステ施術・化粧品の効果は最大化します
3.今回のまとめ
自宅でできる、リンパを流すフェイスマッサージを伝えましょう
前回のコラムでは、エステに通うお客様でもセルフでできる簡易なフェイシャルマッサージをご紹介しましたが、今回は少しだけ難易度を上げ、リンパの流れに沿ったフェイシャルマッサージをお伝えします。
リンパ管は、体内で不要になった二酸化炭素や老廃物・余計な水分などを約20%回収しますから、顔のリンパ節・リンパの流れに沿ったマッサージをするだけで、新陳代謝がアップし顔のくすみが解消したり、むくみが取れたりするのです。まずリンパを流すためには、上深顎リンパ管・耳下腺リンパ節・顎下リンパ節・後頭リンパ節・リンパ本幹などのリンパ節を指の関節などを使い押しほぐします。次に顔の外側へ軽く圧をかけながらマッサージを行い、最後に上深顎リンパ管の耳の下から首の下に向かって押し流します。
その後はむくみを取るマッサージを行います。エステティシャンのフェイシャル技術・化粧品の効果がしっかりと発揮する肌の素地をつくるためには、日々のむくみ解消は欠かせません。むくみをとるためにはまず、小指を鼻のわきにあて頬を包み込むように顔を抑えます。その際肌にはジワーッとゆっくり圧をかけるイメージで皮膚をこすらないように気をつけましょう。次に額を上に向かって軽く指で圧をかけます。そして小鼻を軽く押し、耳下腺も同じ圧で押しましょう。最後に耳下腺から目の周り、顎下・オトガイ下・フェイスラインから耳下に沿ってマッサージを行い、最後は小鼻からフェイスラインの矢印に沿って軽く押しながらリンパを流して仕上げになります。
日々むくみを解消することで、エステ施術・化粧品の効果は最大化します
エステティシャンが自宅でのフェイスマッサージ・むくみ解消を提唱するときに、「化粧品では代用できないのか?」「それなら美顔器を紹介してください」といったお声が多くなることも必然でしょう。しかしながら化粧品はあくまで人間にとって食べ物・飲み物といった栄養素という位置づけです。フェイスマッサージは運動といえる働きですから、健康な身体を維持するためには、適度な運動や食事による栄養管理のどちらともが必要だといえます。また「美顔器を使って代用」とこれも一見効率の良い対策といえそうですが、機械はどこまでいってもカスタマイズに限界があります。つまり個人個人の顔の形や大きさは異なることから、筋肉・リンパの位置もそれぞれ異なるため、指先でそれらを正確に捉え、流す技術は手技の方がはるかに優秀といえるのです。
今回のまとめ
フェイシャルは「シャープなフェイスライン」「引き締まった毛穴」「ツヤのあるみずみずしい肌」といった外面的な結果が目標とされますが、その要素も「健やかに微小循環が行われ、細胞に活力がある状態」という内面的な目標が達成されなければ、決して叶うことはないでしょう。しかしながら内面美容に目を向けた習慣実行や知識習得は、消費者だけでは大変困難なことです。
様々なコンテンツで健康・美容の内面ケアが取り上げられている現在だからこそ、エステティシャンの活躍が求められているといえるのです。