先日のコラムでは、消費者庁が注意喚起するエステ業務用機器HIFUについての問題を取り上げました。こういった消費者庁・厚生労働省などの近年にわたる動きを見ながら、時代を読みエステサロン経営を行うことが大切であると私たちは考えています。
従来型のエステティックサロンでの売上アップの方法論といえば、「画期的なエステ機器の導入による集客や単価のアップ」が主にエステティックメーカーやコンサルティング業者は提唱しています。しかしながら上記も含め時代の流れを読むのであれば、「画期的な美容機器」はエステティックサロンで使用することがどんどん認められにくくなりますし、そもそも機械導入は大手のエステティックサロンが大量仕入れを行うことでコストダウンを図り、そうするとプライベートエステサロンは、金額設定で太刀打ちができなくなってしまいます。エステティックサロンの施術バリューはなんといってもエステティシャンの手腕によるものです。エイジングケアが可能なフェイシャルマッサージを行い、且つ正しいホームケアを提案することでお顔に結果を出しリピートに獲得に専念することこそ、地道ではありますが、大切な経営方針であると私たちは思うのです。
【目次】
1.くすみを解消するためには、化粧品の使用だけでは施策として不十分です
2.フェイスマッサージを教育し、顧客の美顔効果を上げていきましょう
3.今回のまとめ
くすみを解消するためには、化粧品の使用だけでは施策として不十分です
そもそもエステマシーンとは筋肉や骨格・リンパの流れを整えるために使うツールでしかありません。ですからフェイシャルで肌結果を出すことがゴールであれば、手技を習慣的にプロエステティシャンが行い、毎日の簡単なマッサージをお客様自らケア程度に実行できて、且つ品質の良い化粧品を使えば十分です。エステティシャンは日々のカウンセリングの中で「顔の筋肉のコリをしっかりとほぐし正しい状態に戻しましょうね」ということをお伝えされていると思いますが、効果的なマッサージの必要性だけでなくその方法も伝承することでお客様のゴールはより達成することができるでしょう。
エステサロンのフェイシャルマッサージや自宅のケアを行うことにより、筋肉を十分にほぐし弾力のある状態に戻し、顔全体の歪みを解消しなければいけません。そして人間の身体には血管と同じようにリンパが体内を網目のように走っています。体内で不要になった二酸化炭素や老廃物・余計な水分などは静脈が80%回収し、リンパ管が残り20%を回収します。顔のむくみやこりで肌がくすんだりしてしまうのは、リンパが滞り老廃物がスムーズに流れていかないことが問題です。しかしながらリンパ管には心臓のようにポンプがあるわけではありません。ですから指先を使い筋肉をほぐし圧をかけ動きをつけることで深層部のリンパを刺激しないといけません。これができると顔の細胞は奥深くから活性化し、新陳代謝が促されるという結果に繋がります。消費者はどうしても「くすみを失くすには化粧品を」と考えがちなので、エステティシャンはそれを是正する必要があるでしょう。
フェイスマッサージを教育し、顧客の美顔効果を上げていきましょう
顔には主な筋肉だけでも、かなりの種類が存在します。前頭筋・側頭筋・上唇鼻翼挙筋・上唇拳筋・小頬骨筋・大頬骨筋・咬筋・頬筋・口角制筋・鼻根筋・皺眉筋・眼輪筋・口輪筋・オトガイ筋など様々ですが、エステティックサロンのカウンセリングにおいては、こういった難しい名称を並べるよりも、表情筋のつき方や効果的なフェイスマッサージを教えてあげることが重要だといえます。
表情筋は、身体の筋肉と異なり肌のすぐ下に筋肉がついています。そのため皮膚とともに筋肉がずり落ち、たるみ顔にならないように効果的なマッサージや筋肉の知識が必要になるのです。ハリや潤いを保つためには、化粧品だけでなくフェイスマッサージでのケアが大切だといえます。スタートとしてはまず滑りをよくするためにマッサージクリームやオイル・乳液などをお客様の家庭には用意していただきましょう。マッサージは顔の内側から外側へ、下から上へ動かすことが基本となります。額は中心から螺旋を描くように動かし、小鼻は上下に動かし口周りは下唇の中心から上唇へ動かすように指導しましょう。目の周りについては皮膚が薄いので十分に気をつけることもアドバイスに付け加えてください。
今回のまとめ
整骨院の優秀なリピーターは自宅でもストレッチを行っているように、フェイシャルエステの優秀なリピーターは、自宅でフェイスマッサージを行い、しっかりとエステサロンがすすめる化粧品を使う方が多いです。エステサロンは多くても月2回程度の来店でしかお客様と交わることはありませんので、サロンを離れた自宅の習慣にも教育が浸透するように取り組むことが大切です。