1年を通してUVを行うことが美容・健康にとって重要なことですが、消費者にアクションを促す際、上に載っているような「月ごとのUV量」を可視化されたデータを見せることも成果に繋がりやすいマーケティングといえるでしょう。ご覧のようにUV-Bは夏7月〜8月の間に特に威力を増しており、冬は一気に降下していることがわかります。しかしながらUV-Aは、4月〜9月までそのエネルギーが強い時期が続き冬になっても半分程度にしか降下をしません。言い換えるのであれば、UV-A波年間を通じて地上に降り注ぐエネルギー量の変動がかなり少ないので、四季・温度問わずケアを怠ってはいけないということです。また前回のコラムでもお伝えしましたが、地表に注ぐUVの約90%がUV-Aになりますから、365日の中で1日でも「UV化粧品を使わない」というお客様がおられるのであれば、注意喚起をすることが誠実な接客であるのだと思います。
【目次】
1.サンバーンやサンタンがある場合、エステティシャンは注意喚起が必要
2.UV化粧品のリピート購入率を上げる、カウンセリングテクニックについて
3.今回のまとめ
サンバーンやサンタンがある場合、エステティシャンは注意喚起が必要
以前紫外線のコラムを書いたとき、日焼けで皮膚が赤くなる「サンバーン」や、日焼けで皮膚が黒くなる「サンタン」といった美容用語を使いました。しかしエステティシャンは現場でお客様とコミュニケーションをするわけですから「サンバーン」や「サンタン」が起こす具体的な肌のダメージ及びエステ施術や店販での解決方法をカウンセリングの中で示すことが必要になると思います。
皮膚が赤くなるサンバーンは、UV-Bが肌に与えるダメージで、紫外線を受けた部分が赤く炎症している状態です。症状が悪化すると火傷のような水疱ができることもあります。紫外線を受けてから8〜24時間でピークを迎え、炎症はそこから数日にも及んで続きます。私たちや私たちがサポートするエステサロンオーナーの認識においては、「サンバーン」はもはやただの日焼けではありません。サンバーンとは各肌細胞に備わるDNAの損傷にも繋がりますし、もし繰り返せば皮膚癌や白内障の原因にもなると環境省からの報告もあります。肌が赤く炎症し、皮が剥けているのは単なる肌表面だけの症状ではなく細胞のDNA損傷リスクがあるのだと、自覚していただくことも重要です。皮膚が黒くなるサンタンは、紫外線放射直後から出る「即時型黒化」と数ヶ月持続する「遅延型黒化」があります。サンタンは紫外線から身体を守ろうとする免疫の反応なのです。
UV化粧品のリピート購入率を上げる、カウンセリングテクニックについて
私たちエステ事業者のミッションの一つとして「お客様には365日UVケアを施していただく」ことを冒頭挙げましたが、エステサロンの現場では「晴天でなければUVケアはしなくていいのではないか」といった消費者の誤った認識もあるみたいですので、これもまた、正しい理解を促す必要があるでしょう。
結論からいうと、天気ごとにおける地表に降り注ぐUV量は、体感ほど差異はありません。例えば雲一つ見当たらない快晴の紫外線量が100%だとして、晴れであれば数%しかUV量は変わりませんし、ほぼ全天を雲が覆っていた場合でも薄曇りなら80%を超え、曇であっても60%近いUV量をマークしているのです。「秋や冬は大丈夫」「曇や雨なら大丈夫」という認識もまだまだ世間では当たり前の認識である以上、私たちは教育を仕掛けていかなければなりません。またUV化粧品の販売が上手なエステティシャンは、あえて春や夏の紫外線が強くなる時期に、年中通してのUV化粧品が必要である理由をカウンセリングで伝えます。そうすることで「いま売りたいだけ」という営業の空気がまったくなくなるため、お客様は熱心に提案に耳を傾けてくれるそうです。
今回のまとめ
春にUV化粧品関連のキャンペーンをすることは欠かせませんが、マーケティング上、春はもっともキャンペーンや新メニュー・新商品の取り扱いに売上効果が上がりやすい季節だともいわれています。それはおそらく「新生活のスタート」という一種の高揚を、私たちは外的環境変化の有無問わず感じてしまうからではないでしょうか。
マスクの半義務化が解禁し、美容の意識も上がりやすいこの時期だからこそ、これまでには試されなかったエステ施術・基礎化粧品、パック、ヘアケアなどの店販をお奨めすれば、売上アップに繋げることができるかもしれません。