厚生省からは、これまで屋外でマスク着用は原則不要、屋内では原則着用としていましたが、令和5年3月13日以降、マスクの着用は個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となる旨が通告されました。長期にわたるマスク着用の義務化もようやく一区切りがつき街の雰囲気もより活気があるように感じます。
私たちエステ事業者が考えなければならないのが、「マスク離れとスキンケア需要」というテーマですが、それに関与するマーケティングデータが2022年4月に株式会社資生堂より発表されています。内容は「マスク着用と肌トラブル及びスキンケアニーズ」です。対象人数は30代〜60代の女性500名で、これによるとマスク生活が長期化することによって肌悩みにさらなる変化を感じると答えた方が51%を記録しました。そして着目すべきは、「肌悩みにさらなる変化を感じる」と答えた255名で、もっとも多かった悩みのカテゴリーは「しわ」で68%を記録しているという点です。続いて乾燥が61%・ニキビ、吹き出物が54%・毛穴が53%・シミが49%という並びになりました。
マスク着用の機会が減り、人に会う機会は増加する中で、エステサロンは優先的に「しわのお悩み」を解決するサービス開発・プロモーションを行っていかなければなりません。
【目次】
1.カウンセリングと店内プロモーションで実践。しわ・たるみの現状把握
2.エイジングによる「しわ・たるみ」のケアは、エステの施術が必須です
3.今回のまとめ
カウンセリングと店内プロモーションで実践。しわ・たるみの現状把握
前回のコラムでは、しわ・たるみという肌悩みは小じわ(表皮性じわ)・表情じわ・深いしわ(真皮性しわ)・たるみの4種類に分かれているとお伝えしました。そしてそれぞれ原因が異なりますからエステティシャンが提案する施術や店販商品も変わるため、お客様にはまず「しわの種類」について理解をカウンセリング上で促進しなければなりません。
比較的若年からでもお悩みは起きる小じわ(表皮性じわ)は、目もとや口もとにさざ波のような形状で現れる浅いしわです。小じわ(表皮性じわ)ができる原因は、潤いが不足し角層が厚くなっていて肌表面のしなやかさがなくなることです。エステ施術やホームケア(店販・OEM商品)でお奨めするお手入れとしては、表皮(角層)が乾燥しないようにとにかく保湿をしっかりと行うことです。手順としては角層をしっかりとケアしてから保湿といった流れで行うことが適切です。化粧品の成分としてはグリセリン・アミノ酸・セラミドといった保湿剤や、エモリエント効果のあるスクワラン・ワセリンなどが一般的に奨められています。表情じわに関しては、表情筋が縮こまってできるお悩みなので、女性のビジネスシーンが増加している現代では急成長する市場ではないでしょうか。こういったお客様には、エステサロンでの定期的なマッサージ・使用化粧品ですとシンエイク・アルジルリンなどの成分を使うことがお奨めされています。
エイジングによる「しわ・たるみ」のケアは、エステの施術が必須です
少子高齢化が進む日本の現代社会においては、若年層よりも40代〜60代といった人口が圧倒的に多いため、エステサロンのマーケティングでは、エイジングケアとしてしわ・たるみのアプローチ手法について、カウンセリング・施術・店販すべての視点から対策を練らなければいけません。
深いしわ(真皮性しわ)は、目尻・口もと・眉間や額にできやすいことが特徴です。その原因は加齢・紫外線などによるコラーゲン繊維やエラスチン線維がダメージを受けることで肌内部から柔軟性や弾力性が失われてしまうことです。コラーゲン繊維・エラスチン線維にアプローチするレチノール・ビタミンC誘導体・ペプチドなどを使用した化粧品を使用すること・美顔器や手技によるエステ施術を行うことが正しい対策といえるでしょう。たるみは顔全体に起きやすいですが、頬に厚い脂肪があるためほうれい線が特に目立ちやすいといえるでしょう。表情筋が衰え脂肪が増えると皮膚は全体を支えきれず結果としてしわが深くなりたるみにつながります。正しいアプローチとしては、上記の深いしわ(真皮性しわ)に対するスキンケアに加えて表情筋体操・ラジオ波・フェイスリフトなどが有効的であるといわれています。
今回のまとめ
冒頭紹介した株式会社資生堂の同マーケティングレポートによると、「アフターコロナを想定して、人と会う機会に備える意味でさらにスキンケアに気を遣いたい」と答えた女性は74%にまで及びました。このような顕在ニーズのあるお客様には施術や店販提案で売上をしっかり上げ、残り26%の方は、塞ぎ込まないような明るいコミュニケーションをエステサロンのカウンセリングテーマにするということも一つの対策であると思います。
そうすると夏に向けてエステ経営は、ますます盛んになるのだろうと私たちは思います。