弊社が店販マーケティングやOEM事業でサポートするエステサロンでは、一般的な店舗と比べて店販売上高・利益率が高く、その理由は店舗で取り扱う仕入れ店販商品・OEM化粧品等のブランディングやカウンセリングノウハウの創り込み方にあるといえます。例えば新しく発掘した化粧品ブランドを販売するとなったときに、他のエステサロンでは「新発売のエステメニュー・店販キャンペーン」と打ち出したりすることが多いですが、これでは事業の途中で頓挫するリスクが極めて高いといえます。そもそもエステサロン専売であるプロフェッショナル化粧品とは、多様な肌悩みに対応できるように設計されているため、品目が多く品種が複雑であることが多いです。顧客の化粧品に対する理解も浅く・エステサロンも顧客の購入動機が曖昧である状態で販売することは、後に顧客へ不満をもたらす確率は高くなるでしょう。良さを知ってほしい・エステメニュー、店販の柱にしたい化粧品であるからこそ、まずはモニター体験企画のような少数・低利益でありながらも販売ノウハウや戦略の土台を築く実務が必要ではないかと私たちは思います。また、前回のコラムで取り上げた「くすみ」について等、こういった肌への基礎知識をゆっくりでいいので顧客に与えることも、エステサロン経営には必須であると考えてもいます。
【目次】
1.角質肥厚型・乾燥型くすみに最適なエステサロンのマーケティング戦略
2.加齢によるくすみは、エステ・ホームケアに併せて日常生活の改善が必要
3.今回のまとめ
角質肥厚型・乾燥型くすみに最適なエステサロンのマーケティング戦略
日本化粧品工業連合会によって定められたくすみとは広義なものなので、しっかりとエステサロン内で教育を行う重要性について前回はお伝えしました。くすみとは、角質肥厚型・乾燥型・血行不良型・糖化型・メラニン型に分かれており、その見分け方は分布する場所だけでなはなく色味や質感で判別することが一般消費者にもできます。判別できれば次は「原因は?」「対策は?」とエステティシャンの土俵になりますから、Webのコンテンツマーケティングやサロン内部の環境整備を行うことで、丁寧に発信をする必要があるでしょう。角質肥厚型のくすみの原因は、肌のターンオーバーが鈍化することで角質肥厚が起き、肌がくすむことです。スキンケアの解決方法としてはピーリングや酵素・スクラブ洗顔・ピールオフパック・拭き取りの化粧水等を行い余分な角質を取り除くことが挙げられるでしょう。効果的な成分としてAHAである乳酸やリンゴ酸・酵素はパパイン・プロテアーゼなどがありますが、肌が極度に乾燥している・アレルギーがある場合は避けた方がいいのでエステの施術の際に肌状態のチェックをすることが大切です。乾燥型のくすみは加齢や乾燥でキメが乱れて肌の表面が光に乱反射しているわけですから、お手入れは保湿の美容液、マスク、パックなどを取り入れるのが適切でしょう。効果的な成分としてはセラミド・ヒアルロン酸・コラーゲン・アミノ酸等になりますため、これらのエステメニュー・店販やOEM商品の販売が対策となります。
加齢によるくすみは、エステ・ホームケアに併せて日常生活の改善が必要
加齢に伴い増える血行不良型・糖化型・メラニン型のくすみは、エステやコスメだけではなく日常生活のアドバイスも併せることが重要といえます。目もと等に多い血行不良型のくすみは加齢や疲労・睡眠不足が原因で血行が悪くなり発色が変化していますから、エステではマッサージを長めに取り入れたり、ホットタオルを使うこと等が有効的でしょう。また日常生活では煙草を控えたり運動を行うといったアドバイスもカウンセリングで加えていただきたいです。効果的な成分はカプサイシン・ビタミンE誘導体・炭酸が例として挙げられます。近年スキンケアのキーワードとなる「糖化」ですが、これは肌が代謝しきれなかったタンパク質と糖が結びつくことによって褐色のAGEs(最終糖化生成物)をつくりだすことが原因です。抗糖化作用があるカモミールやドクダミ等をとり、食生活においては血糖値を急増させないことが重要です。ビタミンB1やB6、ビタミンC誘導体、クエン酸、aリポ酸などを含有した抗糖化化粧品を使った施術やホームケアを推進すると売上アップにも繋がりやすいといえます。季節柄紫外線が強くなることを日々体感しますが、メラニン型くすみの原因は、紫外線を主としたメラニン色素の異常生成と排出力の鈍化により色素沈着は生まれます。当然対策としてはしっかりとUVを行い、ビタミンC・レチノール等を使いターンオーバーを促すことでメラニンを滞りなく排出させることも重要といえるでしょう。
今回のまとめ
くすみ一つとっても肌を綺麗にお手入れする・悩みを解消するというゴールを達成することは、中長期的なエステの来店や化粧品の使用・加えて日常生活の改善などが必要となります。冒頭では新しい化粧品のリリース時、モニター企画を行うことが大切な施策の一つであるとお伝えいたしました。これはコストや手間をかけても中長期的に顧客の肌をモニタリングすることには、多大な経営価値が生まれると、多くのエステサロンから私たちは学んだからです。