肌や体型の悩みを改善してくれるエステサロンの多くはリピート率が大変高く、また改善した状態をしっかりメンテナンスすることにより来店期間も伸び、そうするとLTV(顧客生涯価値)が最大化します。エステサロン顧客一人ひとりのLTV(顧客生涯価値)が伸長すれば業績が向上しやすいだけでなく、一定の基盤ができますから、Webマーケティングを使った新規集客・OEM化粧品(サプリメント)の開発やプロモーションに投資がしやすくなることで、さらに経営への成長が期待できるでしょう。
【目次】
1.キャンペーンではなく、エステサロンは内部環境を整えることが重要
2.エステトリートメント・店販売上が伸びた、マーケティング事例について
3.今回のまとめ
キャンペーンではなく、エステサロンは内部環境を整えることが重要
以前のコラムでは、ニキビ(尋常性ざ瘡)が深刻化するステップやその原因・お手入れ方法についてプロモーション事例を挙げましたが、これらはとあるエステサロンが行っているマーケティングから紹介をしています。ニキビ肌で困っていたエステオーナーは、試行錯誤のエステ施術や店販商品によるスキンケアで、自らの肌がより良くなった経験をされました。そしてこの経験をお客様へのエステサービスに転換するべく、ニキビトリートメントの開発・ニキビ肌にあったスキンケアの化粧品をホームケアとしてお伝えするカウンセリングトレーニングを行いました。しかしながらこれらの活動のスタートは、あまりうまくいきませんでした。原因はエステメニューや店販商品のキャンペーンなどが主な販売手法だったからです。リクルートの調査データを基にすると、キャンペーンが購入きっかけになることは15%を下回ります。であれば、ニキビの予防とは何か?当店の対策は何か?といった部分に焦点を当て、エステサロンの内部環境を整えることが大切なのです。当該エステサロンは、まず簡単な注意書きとしてニキビは潰すと雑菌が入り化膿するおそれがあるので潰さない・乾燥を誘発するような過剰な洗顔はしないこと・髪がなるべく触れないこと・手は雑菌がついているので触れないこと・肌へのパッティング、接着の強いパックやスクラブの使用を控えること・油性のメイク品、バームなど毛穴を塞ぎやすい化粧品は使わないことなど、ニキビができたときの注意書きをカウンセリングブックや店舗内のPOPなどで示すようになり、こういった取り組みから徐々に成果は顔を出すようになりました。
エステトリートメント・店販売上が伸びた、マーケティング事例について
ニキビができたときの注意書きは、エステサロンに通うお客様にとって有効的な情報にはなります。しかしながらフェイシャルメニューを行ったり、OEM化粧品(もしくは店販仕入れ化粧品)をお奨めする店舗であれば、具体的な予防法などを消費者たちは求めるでしょう。ですから次の取り組みとして、エステサロンでの取り組み・ホームケアでの取り組みといったように、ニキビで悩むお客様のための習慣づくりをプロモーションすることになりました。具体的には、余分な皮脂をしっかり洗い流す洗顔ケアにもっとも気を使うこと(肌の乾燥具合によって手法を使い分ける)・スキンケア商品の選定(これはお客様の状態によって医薬部外品やノンコメドジェニックを提案されることもあります)・保湿ケアやピーリングケアを用いたターンオーバーの正常化・睡眠をとったり食物繊維や水分をとることで便秘を避ける対策を行うなど、実に様々な対策を提案しました。これらの提案は決して「物売り」ではなく「ソリューションを売る」営業モデルですので、お客様のトリートメント予約や店販商品の売上は大きく飛躍することになります。またニキビはビタミンB2やビタミンB6が不足すると発生しやすくなりますので、そういったカウンセリングの派生から店販商品が大きく動き出し、そしてエステサロンが大きく成長へと繋がった事例を私たちは知っています。
今回のまとめ
エステティック産業の一つの特徴として、「教育が大切」であるという言葉を多くの方が使います。これには様々な解釈があるのですが、私たちが考えるここでの教育とは、エステティックメーカーやディーラーがエステサロンに行う教育のことを指しているわけではなく、エステサロンがエステに通う消費者のために行う教育を指していることだと思っています。エステサロンは綺麗になるだけでなく、癒やされることも動機に通う人たちも多いはずであるがゆえ、決して一方的ではない、双方がコミュニケーションに満足し教育へと繋がる環境づくりを、エステサロンではこだわるべきだと私たちは思います。