エステサロンが業績を伸ばすために必要となる、OEM化粧品(サプリメント)事業ですが、自社ブランドとして展開する限りは商品開発・テストマーケティングなどだけではなく、プロモーションもしっかりと行い、経営ノウハウを積み重ねなければいけません。もちろんこのフェーズであれば、Webマーケティングを行い、オンライン上でエステサロンのプロモーションも行っているため、発信先は現在エステサロンに通う顧客だけではなく、自社の潜在顧客(数千人の消費者)にわたります。プロモーションとはもちろんOEM商品をいかに魅力的に消費者に伝えるのか?といったテーマではありますが、経口するサプリメントなどにおいては特に広告上のレギュレーションに気をつけなければなりません。以前のコラムでは、最高裁判所や厚生労働省が「医薬品に該当するかどうか」という見解がもっとも重要であるとお伝えしましたが、最高裁判所・厚生労働省の具体的な基準とは一体どのようなものなのか?ということを、今回のコラムではお伝えしたいと思います。
【目次】
1.化粧品(健康食品)か医薬品か。行政が定める商品定義について
2.OEM化粧品(サプリメント)開発は、パッケージの選定も重要
3.今回のまとめ
化粧品(健康食品)か医薬品か。行政が定める商品定義について
まず最高裁判所が「エステティックサロンで扱えるようなサプリメントなのかもしくは医薬品に該当してしまうのか」という基準なのですが、これはそのサプリメント自体の成分・形状(形状とは剤型、容器、包装、意匠など)・商品名称・サプリメントに表示されている使用目的・効能効果・用法用量などを総合的な視点から判断がされます。消費者の理解において、人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されるものと認識をされ、または薬効があるなどと標榜したかどうかということが概要です。厚生労働省の通達となる「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」は、OEMサプリメントを開発・流通しているエステサロンは要チェックなのですが、これは本規制に抵触する広告が大変多いため留意する必要があると私たちはクライアントにお伝えしています。例えばそれは「医薬品的な効果効能に解釈をさせてしまう」ことです。エステサロンが取り扱うサプリメントの広告では、「癌になりにくい」「糖尿病に効く」「身体が若返る」「新陳代謝をアップする」「ホルモンバランスを正常化する」といった標榜は散見しています。Webマーケティングを行い多くの潜在顧客を集客・アプローチできる状態になればなる程、それだけリスクが高まることを理解し、広告上の表記物は丁寧に取り扱うことが重要でしょう。
OEM化粧品(サプリメント)開発は、パッケージの選定も重要
2020年、国内でも大変有名な化粧品ブランドの美容液が、販売して1ヶ月も経たない間に撤退しました。薬機法違反の該当となったのは、容器がアンプルであったということで「医薬品的な形状の解釈を与えた」という点です。アンプル容器以外でも、錠剤・丸剤・カプセルのような剤型は、一般に医薬品に用いられる剤型として認識されることが多いため、例え商品が美容目的のサプリメントであっても、消費者がサプリメントを医薬品と誤認する大きな要因になると認められているのです。但し、錠剤・丸剤・カプセルのような剤型であっても、直ちに医薬品に該当するといった判断は行われず、「食品である旨が明示されている」場合、原則として形状のみでは医薬品であるという判断をとられはしません。しかしながら上記のような「アンプル」にかんしては、通常化粧品・食品には流通しない形状のため、商品回収を余儀なくされたということです。
今回のまとめ
エステサロンが開発するOEM化粧品(サプリメント)は、専門性のあるデータが基とされ、その原料や配合割合が行われます。また弊社では度重なるテストマーケティングを行うことによって、肌含めた身体に適合した商品を開発できることから、ついついプロモーションには力が入り、レギュレーションを遵守することが疎かになってしまいがちです。OEM開発を行う商品力に自信がありリピート性も見込めるならば、健全なプロモーションを行わなければならないと、私たちは考えています。