弊社ではエステサロン経営でもっとも重要なことは持続的に売上を上げ続けることだと考えており、そのためにストック型のWeb集客をコンテンツマーケティングで行い、サロンの内部環境を理想的なオペレーションに変容・整備することが大切ですとコラムではお伝えしてきました。しかしながら、売上アップ・集客のためのコンテンツマーケティング・メニュー開発や販促などのマーケティングと等しい程重要なことがリスクマネジメントです。令和3年8月に薬機法の改正が布告されたことでマーケティング上、エステサロン事業者の一部が改めてフォーカスをしましたが、エステサロン経営というものは、医師法・薬機法・景品表示法・個人情報保護法など、実に多くのリーガルリスクにさらされており、多くのエステサロンが摘発されています。また、お客様からの評価や風評リスク(レピュテーションリスク)によって、サロンが廃業に追い込まれるケースも少なくはありません。私たちは日々、大切なクライアントであるエステサロン様の経営の業績がよくなるように取り組みをともにしていますが、だからこそ各エステサロン様における潜在的なリスクを捉え、正しい対応によってその被害を未然に防ぐだけでなく、トラブル発生時の被害を最小限に抑えるための施策を構築することに努めております。なお、MAPは、一般社団法人薬機法医療法規格協会のYMAA認証・KTAA認証を受けた認定事業者登録を行っており、第二東京弁護士会所属の法律事務所のヘルスチームとも顧問契約を結んでおり、売上が増大する分高まるリスクに対応するたえ、サポート体制を整えています。
【目次】
1.エステサロンが負った、施術業務か起因となる損失の具体的事例
2.エステ施術にかかわるリスクマネジメント。具体的対策例
3.今回のまとめ
エステサロンが負った、施術業務か起因となる損失の具体的事例
「私たちのエステサロンは大丈夫だろう」。まずはこういった思い込みを排除することからリスクマネジメントはスタートします。Web上で探せるエステサロンの経営トラブルは、裁判所で係争された判例ですからほんの一部に過ぎませんから、どうしてもリスクマネジメントといわれてもピンとこないこともわかります。私たちは過去200を超えるエステサロンをマーケティングサポートしてきたなかで、エステサロンがリスクマネジメントを行わなかったばかりに大きな損失を計上したり、度重なる風評被害に経営者が疲弊し、結果サロンを休業・廃業したケースをいくつか見てきました。店名や地名はいえませんが、直近1年の事例だけでもかなり多くの案件を私たちは把握しています。例えばエステボディ機器の操作ミスによりお客様の火傷を負わせた事例では、治療が1年半と長期に渡ったため、治療費・慰謝料を含め50万円の支払いをした事例があります。よもぎ蒸しハーブを煮る土鍋に足を入れ火傷を負った事例では、顧客が誤って足を入れるという過失はあったものの、店舗側の説明不足も認められ、治療費・交通費等で合計35万円の支払いを負っています。また、エステ機器の故障により顧客に火傷を負わせた事例では、メーカー対応の事案と一見思われますが、顧客はメーカーと店舗の双方に100万円の支払いを請求しました。結果事故内容の精査をし、店舗側の責任も認められ、店舗だけで60万円の支払いを負うことになりました。
エステ施術にかかわるリスクマネジメント。具体的対策例
リスクマネジメントとは、どこまでいってもベストという概念は存在しませんが、予防・軽減策をとることで、よりベターな状態に整備することがポイントです。エステ施術が起因となる上記のようなリスクに備えた対策は大きく2つあります。1つはエステ施術前に同意書や契約書を交わすことです。もちろんミスのないようにスタッフ教育を行うことは大切なのですが、お客様の肌の状態などでトラブルが生じることもときにはあります。そのため、お客様にエステを受けていただく前の段階で、お客様の事前の同意を取得することが大切です(そのためMAPでは各エステサロン様に応じた同意書の作成などを業務として請け負っています)。2つ目はエステサロン向けの保険加入です。近年エステサロン向けの保険サービスは多種多様になっており、万が一の場合に備えてエステサロンの損害賠償をカバーしてくれる保険に加入することもリスク軽減策になるのです。
今回のまとめ
弊社では、エステティックサロンにOEM事業のサービスを提供しております。なぜエステサロンがメーカーに?という質問をいただくこともありますが、とても単純な私たちの考えとして「エステサロンは美容商品の販売メーカーに向いている」というものがあります。エステ商品メーカー・ディーラーを長年渡り歩いた私たちは、メーカーやディーラーが「いいものづくり」「最適なマーケティング」ができない一番のボトルネックは「消費者との距離」であると考えています。言い換えれば、消費者との距離がもっとも近い関係性であるエステサロンだからこそ、OEM事業を行い、メーカーとエステ経営を親和させ発展するべきなのです。そうすると、エステサロンは現状もしくは将来のメーカー事業を行うにおいて、リスクマネジメントの精度を上げることが大切な業務となるのです。