量×質とはよくいったものですが、エステ経営をこれにあてはめると、集客と顧客育成というシンプルな因数分解になります。しかし何においてもシンプルな程物事は地道で奥が深いことは確かです。繰り返すように、私たちはマーケティングの基本を集客と捉えています。エステサロンは一般的な店舗型BtoCビジネスに比べて、リピート率・購入単価は高い水準にありますし、ロイヤルカスタマーになれば途端に継続来店年数は上がり、様々な経営で重要指標化されているライフタイムバリュー(LTV)も増大します。そして集客のコンテンツマーケティングは、オウンドメディア(つまり自社HP)で行わなければなりません。アーンドメディアやペイドメディアであれば、入札金額によって上位表示は優先され、クリック単価などは年々上昇傾向にあるからです。プライベート・中小規模のエステサロンだからこそ、自社(店)のメディアをしっかりと運用し、売上アップとともにコストマネジメントも行っていかなくてはいかないのです。そしてWebマーケティングをメインとした集客強化の環境整備が整ったとき、「顧客育成」というエステサロン内部のマーケティングが重要になってくるのです。
【目次】
1.エステサロン内部のマーケティング活動は、セールスとは相違する
2.オペレーション(カウンセリング)ブックが、エステサロンに必要な理由
3.今回のまとめ
エステサロン内部のマーケティング活動は、セールスとは相違する
エステティックサロン程、ロイヤルカスタマーが経営を育てる事業体はなかなか存在しないと前述しましたが、裏を返すとエステティックサロン程、ロイヤルカスタマーの減少が経営を悪化させる事業体もなかなか存在しないということです。ロイヤルカスタマーと私たちは呼称しますが、簡単にいうとエステサロン・エステティシャンの「ファン」といえるお客様です。世の中にはファンマーケティングは大切だ。という本やセミナーが多く存在しますが、エステサロン・エステティシャンに関わらず、一足飛びにお客様をファンにさせる方法はないと私たちは思っています。お客様たちがファンであるかどうかについては、リピート率・単価・継続来店期間などのKPIに置き換えられたりもしますが、これは単に結果であり、これらの数字が増大するために、「何を想い」「何を取り組む」か。つまりエステサロン内部で、どれだけマーケティング活動に取り組むか?という点が重要でないかと私たちは思っています。集客におけるマーケティングはデジタルな分戦略や取り組みが「自社HPの運用強化」という真っ直ぐなものですが、顧客育成を目的としたエステサロン内部のマーケティングは大変アナログで良くも悪くも複雑な取り組みです。「マーケティングの究極の目的は、セールスを不要とすることである」といったドラッカーの名言があるように、「施術を売る」「商品を売る」ことが、顧客育成を目的としたマーケティングの本質ではないことは確かです。
オペレーション(カウンセリング)ブックが、エステサロンに必要な理由
弊社では、エステサロン内部のマーケティング、つまり「顧客育成」にもっとも難しさを感じていますし、しかしながら経営の楽しみもここに詰まっていると考えています。エステサロン内部のマーケティングにおいて大切なことは、一言でいうとエステサロンの「バリュー」や「ヴィジョン」を、顧客に認知・共感してもらうことだと私たちは考えます。エステサロンオーナー・エステティシャンは総じてコミュニケーションスキルが高く、お客様に愛されるキャラクターの人材が多いと思います(人に触れ健康・美しく導く商売なので、当然スキルがキャリアによって磨かれているのかと思います)。そうすると、自身のエステサロンのコンセプト・それぞれの施術メリットやカスタマイズ・お客様の体質お悩みに合わせたプランニングをお伝えするのも上手な人ばかりです。しかしながらここで気をつけないといけないのは、お客様・エステティシャンの知識格差です。これは身体の性質・それぞれのサービス・ソリューションに詳しいエステティシャンが悪いというわけでなく、この「知識格差」を埋めるオペレーションが必要であると私たちは考えています。つまりエステサロンのコンセプト・それぞれの施術メリットやカスタマイズ・お客様の体質お悩みに合わせたプランニングなどをお話するだけでなく、可視化した制作物や適切な運用がエステサロン内部の動線に必要になってくるということです。
今回のまとめ
エステサロンに最適なオペレーション(カウンセリング)ブックの性質は、セールス要素が薄く、情報が偏りがちなお客様にとって「なるほど」といわれる利便性のあるコンテンツのほうが、結果リピート率・購入単価に繋がることを、私たちは多くのエステティックサロン様に教えていただきました。次回はその一部をご紹介したいと思います。