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2023.01.26

エステ経営で高い粗利益を狙う。店販ビジネスモデルとその問題点

エステサロンの経営において、売上をもっとも上げる最大の戦略は集客であり、これにより実質的な経営基盤は最低限確保できるといえるでしょう。しかしながら「集客ができてよし」で、次なる経営戦略を打たなければ、いわゆる売上がそこそこで忙しいエステサロンから、いつまで経っても脱皮することはできません。エステティックサロンとは、お客様の健康や美容をアドバイスし、施術や商品販売を提供するという事業体なわけですから本来高い粗利益がマークできるはずです。そうはいってもエステティックメニューの料金は様々な背景からエステオーナーが設定しているわけなので、簡単に値上げなどは行えないでしょう。それならばやはり「店販(商品販売)」で粗利益をどんどん向上させるべきです。

【目次】
1.エステサロンの店販商品選定は、戦略的に行いましょう
2.エステサロンの店販ビジネスモデルが、瓦解しつつある外的な要因について
3.今回のまとめ

エステサロンの店販商品選定は、戦略的に行いましょう

私たちはこれまで多くのエステサロンに足を運び多くのエステオーナーと商談をしてまいりました。従来からエステティックサロンのフェイシャル・ボディ施術や化粧品などが好きだったこともあり、よく商談の際には「どうしてこのフェイシャルメニューを導入されたのですか」「どうしてこの化粧品を選ばれたのですか」こういったことをよく聞いていました。すると意外な発見がありました。それはエステメニューには一つひとつこだわりや意味があるのですが、こと店販商品に関しては「よく売れていると話題になっているから」「デザインが気に入っているから」「お客様が好きそうなジャンルだから」など、エステメニュー選定とは打って変わって商品への愛着やマーケティングの根拠が欠けているケースが驚くほどに多いのです。冒頭でも述べましたように、経営の源泉である粗利益を向上させることに、店販(商品販売)マーケティングはもっともその効果を発揮します。しかしながら店販は、取り扱っているだけではその機能を果たしません。当然マーケティングはサービス対象となる商品が基軸を担うわけですから、情緒的な判断だとそれは経営とはいえないでしょう。粗利益を成長させるエステサロン経営者は、すべからく店販商品の選定もこだわっているという事実からみても、やはりメニューと同様に店販も戦略的なマーケティングを行うことが絶対的であるといえるのです。

エステサロンの店販ビジネスモデルが、瓦解しつつある外的な要因について

店販事業がどうやってもうまくいかないエステサロンのすべてが、前述のようなマーケティングを放棄しているというケースだけではありません。化粧品に愛着があり、オペレーションも充実しているのにも関わらず、店販ビジネスが成長しないつまり粗利益が伸び悩んでいるというエステサロンも多いことは事実です。それはなぜでしょうか?私たちはその原因の一つに、取引業者との関係性があると思っています。私たち自身もエステティックの業務用及び店販用商品(いわゆるメーカー・ディーラー)を扱う企業に長年在籍した経験がありますが、エステティックサロンと美容メーカー・ディーラーの関係性は、あまり適切ではないケースを見ることが多いです。エステティック産業の美容メーカー・ディーラーの一般的な営業スキームは、「経営コンサルティング」を標榜し、サロン経営のために物販の導入が必要だ。ということを提案することで、自社の契約率を高めています。またメーカーやディーラーは、多くの在庫を抱えながら経営を行っているため、自社の売りたいものを売らないと、倒産しやすくなってしまいます。そのために同じ店販商品をどのエステサロン経営者と話しても「貴店のエステサロンにぴったりの店販商品です」とセールスをすすめることになります。エステサロンがそれぞれのメニューは多種多様にも関わらず、店販商品となると業界全体が画一的になる理由がこれにあたります。
取引先とよき関係性を築くことはとても大切なことですが、エステサロンの看板となる店販商品の選定や販売促進方法を、他の企業に委任することは間違っています。こだわりぬいたコンセプトのエステサロンであるからこそ、店販マーケティングは主体的に行わないといけないといえるでしょう。

今回のまとめ

店販事業はエステサロンの不労所得というような文言を、たまに広告で目にすることがあります。エステサロンの店販商品は、お客様の美容・健康をホームケアで向上させる役割を担いますし、そのお客様を誰よりも知っているのがエステティシャンです。店販の戦略決定やその実行をメーカーやディーラーに従うと、あっという間に過当競争に巻き込まれ利益率がみるみると落ちてしまうどころか、サロンの大切なアイデンティティを欠落させ、ロイヤルカスタマーを失客させるリスクを発生させる原因にもなるのです。