これまでのコラムでは、エステサロンに現在通いたいお客様は東京・大阪・名古屋といった都心部だけではなく、各郊外でも「検索ボリューム」がとても多く且つ伸長しているということをお伝えさせていただきました。つまり景気が悪い・物価高というような経済活動にネガティブなワードがニュースから飛び交っている現代社会の中で、エステティック産業はとても明るい状態だといえるでしょう。エステ経営とは一言でいいますが、値上げや原材料を見直し粗利益を上げる・エステティシャンのオペレーションや内部環境を改善し営業利益を上げる・補助金や助成金を申請し経常利益を上げるといった様々な改革がありますが、なんといってもそれらの分母値となる売上高を上げることがもっとも大切な戦略です。何度もいうようですが売上を上げるにもっとも有効的な手段は「集客」です。
どの地域にも十分な検索ボリュームはありますから、一刻も早く自社HPを運用(ない場合はまず制作し公開)し、アクセス数を上げる対策を行わなければなりません。HPアクセス数を上げる要素については前回のコラムの内容でありましたので、今回はHPから予約に転換する「コンバージョン」についてお伝えしたいと思います。
【目次】
1.Webマーケティングのよくある誤った認識と戦略について
2.エステサロンを魅せるHPを制作し、コンバージョンを獲得する
3.今回のまとめ
Webマーケティングのよくある誤った認識と戦略について
これはエステティックサロン産業だけではありませんが、効果的なWebマーケティングを行えている企業はとても少ないと私たちは感じています。確かに自社HPの制作品質・運用の強化といったオウンドメディアを強化の流れに舵を切ることは間違ってはいないでしょう。しかしながらこの「HP運用強化」とは?と問われると、デザインにこだわる・読みやすいまた、話題の文章を書く・サイトのUXや操作性を高める。こういった意見が企業の会議でも飛び交うことが実際にはほとんどです。これはストレートにいうと誤った認識であり苦労の上に多々策を施したところで、売上にはなんら跳ね返ってこない生産性が低いWebマーケティングといえるでしょう。例えば書店で本を売りたいとします。しかしながら肝心の売りたい本が、陳列棚でなくバックヤードに配置されていては、どんなに本に書かれた文章や、表紙のデザインに力を入れたとしても消費者に届き、心を響かせることは不可能でしょう。もちろんWebも同様です。認知のとれないサイト(つまりアクセスされないサイト)は売上をもたらす広告とはいえません。ですから前回のコラムで取り上げたマークアップ品質・アクセシビリティ・セキュリティ体制の構築・モバイル端末への対応をしっかりと行える制作会社にHP制作を依頼し、自社でHP制作運用の体制を構築することで、まず「Webマーケティングを行える状態」に企業・サロンの内部環境を整える必要があるといえるでしょう。
エステサロンを魅せるHPを制作し、コンバージョンを獲得する
本が書店の本棚に置かれるように、まず商圏の潜在顧客にエステサロンに認知を獲得するということがアクセスの概念です。そして本が手に取られていよいよ読まれると段階にきてはじめて、「コンバージョン」というフェーズに入るのです。本がおもしろい・買って全部読みたいと思われれば購入に至りますが、エステサロンのWebマーケティングもまったく一緒であり、本の購入はエステの新規予約という「売上」にようやく繋がるのです。
ではこのコンバージョンのスコアを上げる要因は一体何なのでしょうか。これには7つの要素があり、ホームページの構成・企画の魅力・デザインの魅力・デザインの視認性・文章ライティングの内容・コンテンツの情報量・UX/UI操作性といったものです。HP制作会社の中には「デザインにこだわりそれを強みにしています」というコンセプトがありますが、これは「業績直結」ではなく「コンバージョン率の向上」の議論であると、そう理解していただくといいと思います。
今回のまとめ
エステサロンはHP集客に向いていますとタイトルをつけましたが、これは何も「検索ボリューム」が多く成長しているという点だけではありません。エステティックサロンは「コンバージョン率」のスコアも上げやすいのです。例えば同じく美容業界である美容室のWebマーケティングと比べましょう。美容室のメニューはパーマ・カット・カラーと大体メニューは3種類しかありません。しかしながらエステサロンはフェイシャル・ボディ・まつ毛エクステ・まつ毛パーマ・ブライダル・ネイル・育毛と多種多様なメニューがありますし、フェイシャルであれば手技・イオン導入などの機械、ボディであれば痩身・リラクゼーションなど多くのメニューに枝分かれしていきます。つまりコンバージョンにおいて重要なコンテンツの情報量が圧倒的に多いため、ことエステ経営においてはWebマーケティングで売上が上げやすい産業だといえるでしょう。